Dr.コーイチロー「真剣に飛ばしを考えてみた」№21

正しい知識を身に付けて「創意工夫」をして自分の力を出していく
こうしなさいと言われたことだけやっていても上達はない
「今日も新しいチャンスがあります。」

飛ばしを真剣に考えてみた㉑
12052016

前回は、セットアップとボールの位置について、余りにもおざなりにされているというに言及しました。
実際、アマチュアの方の練習を見ていると、まっすぐ打つことがちゃんと練習することだという既成概念にとらわれている人が殆どだと思います。
上手く当てる。
真っ直ぐ打つ。
飛ばす。
三種の神器でしょうか(笑)

でも、実際のゴルフは、毎回上手く当たるものではない。
真っ直ぐばかり打つものではない。
飛ばすことが最優先ではないのです。

しかし、飛距離への追及はきっと留まることを知らないのでしょう。
なので、破綻しない範囲での飛距離をどうやって作るのかという事を説明し続けています。

答えはシンプル。
人間の機能を最大限に活用して、その機能を発揮した時に最も有効に機能する道具と組み合わせるという事です。

F1ドライバーがどれだけ運転のテクニックが優れていても、車自体の性能が著しく低ければ、レースでは勝てない。
ましてや、ハンドルを右に切ると、時々左に曲がってしまうような車では、どれだけドライビングテクニックが優れていても、その能力を十分に発揮することなどできません。

ですから、本来は技能と道具というのは切り離して考えるべきものではありません。

ましてや、きちんと機能しない道具を打つための無駄なことが技能だなどという事になってしまえば、収集が付きません。
また、叱られてしまいますが、現状はそういうことになっているとお考えになって間違ないと思います。

松山選手がとても頑張っていますが、彼でさえ新しいドライバーが使えない。
それどころか、彼のパフォーマンスを見ているとお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ショートアイアンでは、淀みなくスウィングしているのに、長い番手やウッド系では、恰もトップで一旦止まっているかのような動作の調節を行っています。
あれ、本当はマイナスな要因なのです。
もし、長いものもショートアイアンのように淀みなくスウィングして機能するのであれば、間違いなくその方が良いのです。
つまり、効率の良い動きをした際に機能しない道具を使っていると考えざるを得ないのです。
もちろんあのレベルになると、そうした適応能力を持っているのです。
というよりも、現状そうした適応能力を持っていないと、戦えないというべきなのでしょう。

松山選手がああやっているから、一般のゴルファーもそうすべきだというような、短絡的なことは僕は言えません。
あのパフォーマンスを身に付けるには、とてつもない能力が必要だからです。
多くのプロでさえ、ああしたポーズが入ると、全体のテンションが抜けてしまう。
松山選手はテンションが抜けない。
だから、機能しているのです。

根本的な有効な動きの要素を妥協しない中での彼なりの適応方法があのポーズなのです。
欧米の選手の中には、根本的な要素を妥協して、全体のテンポを優先している人も少なくありません。

僕からすると、相対的パフォーマンスを考えると、松山選手と比較する相手とは考えられません。
絶対要素を妥協せずに実行する。
それを優先順位第一位として捉え、妥協しないために他の要素を妥協するという考え方が、システムとしては大切なのです。
ですから、僕は松山選手は、自分のパフォーマンスのブレを、スウィングの細かい点であるという疑問を発現しない限り、かなり高いパフォーマンスを保持し続けると考えています。
これは、以前から言及してきたことですよね。
近い将来、チャンスがあれば、彼は間違いなくメジャーのタイトルと手にすると思っています。
それも、一度ではなく、複数回。

さて、話しは飛ばしに戻ります。
飛ばすためには、力を出せる能力を身に付けないと飛ぶようにはなりません。
余りにも多くの、不必要(=パフォーマンス的にはマイナスな要素)を同時に実行することで、本来持っている力を出せずに居るゴルファーが圧倒的多数です。
まずは、当ろうが当らなかろうが、狙っているところに飛ぼうが飛ばなかろうが、何しろ必要な所で力を出す。
もちろん、その一点にフォーカスして、自分自身の練習をする時間をきちんと作る。
目いっぱい力を出すことを何時間もできるわけがないから、10分か15分間、それこそ、必死で必要な所で力を出せている自分を作り出すことに集中するのです。
そして、もちろん、その評価は、自分自身の感覚。
ボールがどう飛んだという事ではありません。

次はもっと力を出そう。
次はもっと、そういう思いを持って、本気でその自分と対峙するのです。
大声を出したっていいのです。
シャラポワみたいにね。

適切な所で力を出す感覚を持ち合わせなければ、飛距離を有効に伸ばすなどという事ができるわけがないのです。
特に、ゴルフの場合、特に一番飛ばしたいときに使うドライバーの場合、暴れているクラブを戻すために力を使ってしまう動作だと、本来力を出すべきところで力を出すことなどでき得ませんから。

どうやって力を出すのかなどという事を聞かないでください。
自分自身の感覚で力を出すという事を掴みたいのです。

ポーンと言う感じでボールを叩く方が力が出るのか?
バチィーンとかドカーンという感じで叩く方が力が出るのか?
そのくらいのことは自分で工夫してください。

身体のどの部分をどんなふうに使うのですかなどと言う愚問を持たないでください。
そんなことを知らないと力が出ないなんて思い込まされているのはゴルファーだけですから。

冷蔵庫移動しよう!
さて、身体のどの部分を使ってどうやって力を入れるんですか?
それを教えてくれないと、冷蔵庫動かせないです・・・なんてことないでしょう?

それに、どこにどんなボールを打つのかによって、使う部位は異なるのですから、それをいちいち教わって、記憶して、思い出しながらでないと力が出せないゴルファーなんて、ゴルフ場で良いゴルフのゲームができるようになどならないのですから。
そんなことを知っても仕方がないし、そんなことを教えることに価値は無いと考えていますから。
自分でもっと力を出そう。
あそこに向かって力を出そうと、自分自身の意図を以て、自分自身の荒田をコントロールする術を開発しないと、磨かないと、役になど立ちません。

そして、もっと力を出そうと繰り返して行くうちに、効率の良い力の出し方を脳がコーディネートしてくれるのが人間の優れた機能なのです。
どうでも良いことを守ろうとするがあまり、その素晴らしい機能を引き出せていない人がたくさん居るのです。
力の出しようのないパターンで力を出そうとする。
だから、力が出ない。
無理な力が身体のどこかにかかる。
そして、怪我をするなどという事も起こるのです。

練習の中でのほんの短い時間で良いので、良い当り、まっすぐ打つという呪縛から解き放たれた自分を表現する時間を作ってください。
そして、実際に力を出すことを体感してください。
そして、その感覚を表現し、どこに向かってどうやって力を掛けるのかという事をコントロールできる自分に発展していってください。

こういう類の練習は、実は練習場でクラブを持ってボールを打たない方がよりシンプルに、より自分自身の身体がもった本来の機能を活用できるのです。
日常のちょっとした時間を見つけて、柱を目いっぱい押してみるとか、すごく重たいものを持ち上げてみるとか。
そういう事を通じて、自分自身の身体が力を出すという感覚を捉えることはとても大切です。

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