Dr.コーイチロー「真剣に飛ばしを考えてみた」No7-1

真剣に飛ばしを考えてみた⑦
09182016

さあ、ちょっとここまでのまとめをしておこう。(今日は久しぶりに少し長いですが・・・)
最初に有効飛距離というコンセプトを導入しました。
破滅的な結果を招かず、狙ったところからどれだけブラさずボールを運べるか?という枠の中での飛距離でしたね。
そして、その目的を達成するためには、自分自身がどれだけ効率よく力を作れるかという事でした。
人間がそれを効率よくやるには、振り子のように振るではなく、金槌のように叩くという質の動きが必須だと。

でも、その過程で、上手く当てることを主眼にしてしまうと、今までの習慣が出てしまって、やっているつもりで終わってしまうから、当たりではなく(「当たりよりも」ではないです)叩くという質の力を出せているかどうかにフォーカスしましょうと。

グリップも然り。
ボールの位置も然り。
セットアップも然り。

実は、どちらも自分がどんな力を掛けようとしているのかを明確に認識しない限り決められない要素なのです。
どこかにボールを投げようとする時、投げる方向を決めなければ立ち位置(アドレス)は決まらないですよね?
一方、立ち位置が固定されている場合、投げる時の力の向きを変えますよね?
どちらが優先かは実は明確に判別できないと考えています。
その場その場で自分が事前に動いて、やろうとしていることを感じてみて、一番できそうな感じの立ち位置、力の向きを使っているのです。
これ、ロボットにはほぼ存在しない、個体間変動と個体内変動という、人間に於いては結構大きな要素に起因するのだと思います。

つまり、人間には様々な適応を可能にするために(ロボットのように一連のことだけしかできないのでは、生きて行けないからでしょうね)そうした効果的なシステムがあるのだと思います。

練習場のマットなりに構えて、マットなりのところにボールが飛ぶと「出来た」という評価基準も、人間の能力を考慮すると、とても歪んだ評価基準。
スパットを取ってそこに合わせることで「狙う」ことになるというのも、全くあり得ない話。
もし、それが有効に作用している人がいるならば、それはあなた自身が自分の持っている能力を活用していない、つまり、もっと上達できるという事の裏返しなのです。

それを自ずと改善しつつ、将来的な適応力とその場で自分自身がショットを作り出す能力を作り出すのが、いろいろな方向へ力を掛ける練習なのです。

そう、全ては叩くという本質的な力使いの枠の中で実行しなくてはダメなのです。
どこか一部分の形が同一でも、力を作り出すという事では全く別物になってしまうことはあり得る。
というよりも、ほぼ、そうなると考えなければいけないことなのです。

つまり、一部分は同じでも、他の部分は全く違う形になってしまっているという事。
一部分の形しか意識していないから気づけないだけのこと。
でも、それを力という事に置き換えれば、何百もの形をチェックするのと同じことがすごくシンプルにできるようになるのです。

そして、疑わずに本気で(力いっぱいということではなくて、毎回しっかりと叩く感じを作り出せていることを認識するという事ですよ)いろいろな向きに力を作り出していれば、もちろん、どんな体勢で、どこにボールがあれば叩けそうか感じられるようになってくるでしょう。
それは、写真を見て、人から教わった言葉を記憶し、思い出してできるような類のことではないのです。
これ、肝です!

そして、何故ものすごく極端なことをしたいか?

それは、あなた自身の感覚が鈍いから、少しだけ変えても違いを感じることができないから。
感覚はあなたの中にあるものさし。
ものさしの目盛は最初はものすごく粗い。
粗ければ少々の違いには気づけない。
だから、極端なことをやってみたいのです。

でも、それだけではないのです。
ゴルフは最終的にいろいろな力の出し方ができないとスコアを減らせない。
なので、最初からそこへ向けての礎を構築しながら全体像を作りたいのです。
後から、別物として、また、たくさんの角度や形を覚えてやるなどという非効率なことはしたくない。

多くのゴルファーが何発かトライして上手く当たらないから、「これは自分向きじゃない」と判断する。
僕はその言葉を聞く度に、そんなにこれまでなんでも上手く行った人生を歩んできたのか?と感じる。

それで上達したいと本気で思っているのだとしたら、実はあなたにはそんなもんじゃない本気が潜んでいるってことです。

©Koichiro Fujimoto、Ph.D. All rights reserved 2016

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