Dr.コーイチロー「真剣に飛ばしを考えてみた」No1

2016年からFacebookページに投稿されたものです。
ただ飛ばすにはどうすればいいかとか飛ばしのスイングなんていうものではないことが解ると思います。
全43回すべて掲載していきます。
ゆっくりお読みください。

真剣に飛ばしを考えてみた①

たくさんのゴルファーが「飛ばしたい!」と言う切実な願いを持っていますよね。
そこで、ヒューマン・パフォーマンスの専門家として真面目に「ゴルフというゲームの枠の中で」明確に有効に活用できる「飛距離」を考えてみました。

これ、ドライバーを買い換えるだけで即座に結果を出せるほど単純な問題ではないので、何回か(何十回かもしれないけど・・・)に分けて時間を作って語りたいと思っています。

僕は科学者なので、ことを考える前にいろいろな要因を考慮します。
その過程で、様々な前提条件を考えます。
僕なりに人間のパフォーマンスを考えたうえでの前提条件ですが、読んでくださる方々の中には賛否両論いろいろあると思います。
もし、「おいおい、その前提はおかしいだろう?」とか思われる方は、コメントをください。

お答えできる範囲に於いて、「何故、僕がそれを前提条件として考慮したのか?」についての説明もしたいと考えています。

では、手始めに・・・
「ゴルフというゲームの枠の中で」明確に有効に活用できる「飛距離」とは?どんなのっていうことを考えてみたいと思います。
これ自体、実はこうすればよいというほど一つの要因にしか左右されないものではないのです。
なので、ここだけで数回かかっちゃうかな・・・(読むのが嫌いな人、ごめんね!でも、最後まで行きついた時に、単なる飛距離という事ではなく、皆さんのゴルフにとって、いろいろとプラスになる考え方や判断基準がお分かりになると思いますから、どうかお付き合いくださいね)

もちろん、何のリスクも負わず、何の努力も必要とせず、自分自身のこれまでのパフォーマンスの改造もせずに、単純に飛距離だけを向上させられるほどありがたいことは無いですよね!
でも、そんなにオイシイ話があるのかも含めて考えて行きましょう。

では、まずは、それが可能なのかどうかを考えるために、ゴルフというゲームに於いての飛距離を考えてみましょう。

一言で飛距離と言っても、いろいろな考え方があります。
① ただ飛べばよいのか?
② リスクを負わない中での飛距離が望ましいのか?
③ ドライバーだけが突出して飛距離を伸ばすことができるのか?
④ 他の番手や、ゴルフのゲーム全体にとって、その飛距離の向上は明確にプラスになるのか?
などなど、いろいろと考えます。

簡単にどういうことかを考えてみましょう。

ただ飛べばよいのか?
つまり、狙ったところと全然関係ないところに向かって飛んで行っても構わないのか?とか、
何回かに一回バカ飛びをしてもいいのか?
という事です。

通常のゴルフのゲームでは、14本の道具を駆使して、出来るだけ少ないストロークで18ホールをホールアウトしましょうというのが、ゲームの判断基準ですから、その考え方に則って考えを進めていきます。
もちろん、中には、スコアーなんかどうでもいいから、時々すごい当たりが出るのが爽快で気持ちいいんだよという人も居るでしょう。
それはそれで有りだと思うので(もちろん僕自身はその類の飛距離は要りませんが・・・)否定はしませんが、ここではナシにします。

狙ったところと全然関係ないところに飛んでもいいのか?
例えば、OBゾーンにぶっ飛んで行っちゃうとか、林や隣のホールまで飛んで行ってしまうのでは、結果的にストロークを増やす可能性が高いから、その確率が高い飛距離は使い物になりませんよね。
また、何回かに一回バカっ飛びをしても良いのか?というのも、同様です。
3回に一回しか狙ったところ、というか、ストロークを増やすことなく飛ばすことができないのであれば、実際には平均飛距離という考え方からすると、すごく飛ばないという事になります。

もう一つ、何度かFBでも言及しましたが、僕は有効飛距離という考え方を用いています。
例えば、1Rのドライバー・ショットの結果を:
【狙った地点までの距離ー狙った地点からのズレ】を各ショットの結果として考えます。
加えて、打ったショットの結果がストロークを増やすことにならなかったかも考慮します。

例えば、400yds、左ドッグレッグのパー4。
左サイドにあまり曲げるとOB。
右は林。
余り左サイドに打ってしまうと、セカンドでグリーンを狙えなくなる。
そんなホールを考えてみましょう。

ターゲットは入り口まで240ヤードのフェアウェイ右サイドのバンカー手前を狙ったとします。
つまり、230ヤードくらいの飛距離で、フェアウェイの右サイドに運べると大成功っていうティ・ショット。

なかなか気持ちよく振れて、いい当たり。飛距離は250ヤードくらい飛んだ。
でも、左サイドのOBを意識するあまりか、狙った地点よりも20ヤードくらい右に打ち過ぎて、林に入ってしまったとします。
そうすると、まず、230-20で200ヤードの飛距離。
そして、林に入れてしまったために、そこから出すのに一打余計に打たなければならなかったので・・・
実際には2打、打ってしまったのと同等と考えますから、そのティ・ショットの飛距離は・・・
200÷2=100ヤードという事になります。つまり、それだったらPWでも良かったよねという事。
これがもし、OBという結果を招いたら、200÷3≒66.67ヤードという事になります。
何だ、SWよりも飛んでないことになるじゃない!ってことです。

こんな感じで、ラウンドでのティ・ショットの平均飛距離を算出してみると、どんな飛距離が自分にとって有効な飛距離なのかが見えてきます。

同じようなことを、練習場でも試すことができます。
単に、マットの向いている方向に打ち続けてその方向に飛ぶようになったら出来たと考えるのではなく、一打一打、いろいろなターゲットを設定し、もちろん、そのショットにおける最悪の状況も設定し(例えば、或る看板よりも右に逸れた球はOBとか、或る目印をキャリーで超えない場合は池ポチャや谷に落としたと仮定するとか、そんなことです)一打で打った結果を評価する。
そんなことで、自分自身の実力の評価と、有効飛距離を把握することができるだけでなく、それを知ることで、ラウンドでどんな狙い方ができるのかの目安も構築できるので、是非、試してみてください。

飛距離を出したいのはもちろん理解できますが、その目的を達成するために、ゴルフではどんな飛距離が有効なのかを認識するためにも、また、練習を通じて、自分自身がどれだけ有効な飛距離を達成できているのかを知るためにも、とても有意義な練習です。
また、練習でも一打一打そうやって狙ってしっかりショットに対しての設定を自分がすることで、一打で狙うというメンタル的な要素を鍛えることもできるし、狙うという技能自体も向上しますから、是非活用してください!

091120016©Koichiro Fujimoto, Ph.D.

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